今日の読書日記。荒川弘『鋼の錬金術師 15』

鋼の錬金術師(15) (ガンガンコミックス)鋼の錬金術師(15) (ガンガンコミックス)
「ファンタジー」を装ってはいるものの、当初から重いテーマを扱った作品であることは皆様もご承知の通り。15巻では物語の上で鍵となっていた、主人公の周囲の人たちの過去、「虐殺事件」を語っており、主人公たちはほとんど出てきません。

さて、その内容は大東亜戦争当時の兵卒の方々が語った虐殺体験を基にしており、「虐殺」する側での目線で描かれた内容は恐ろしいまでのリアルさ。目を背けたくなるような内容をこれでもか、と書き込んでありますが、果たして少年マンガでここまで描く必要があるのでしょうか?

果たして、この作品を読んだ子供たちは作品中に出てくる、消し炭となったニンゲンの絵を見てどう思うのでしょうか?

いや、こんな作品こそ、子供たちに読ませるべきだ、という意見もあるのもわかるのですが、私にはどうしても「〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻」を小学生のときに読まされた悪夢が心に張り付いてなんともいやな後味になりました。


この物語はおそらくあと数巻で完結するのでしょうが、物語が完結するときに、このいやな虐殺シーンは子供たちの心にどんなカタチで残るのでしょうか?